ルシェルたちが身構える間にも、硬く鋭い靴音が近づいてくる。 現れたのは、やはり若い女だ。その顔はあまり血色を感じさせない白面であったが、冷たい光を投げかける両眼(りょうがん)は、鮮血を思わせる真紅に染まっていた。首筋のあたりで揃えた銀の頭髪が戯(たわむ)れのように踊り、剣の間を満たす蒼光の照り返しを浴びて淫靡な輝きを放っている。その細くしなやかな肢体を包むのは、宵闇を裁断して縫い合わせたかのような、黒一色のドレスだ。 蠱惑的な魅力に満ちた美女である。だが、その美しさには、どこか人をぞっとさせるような寒々しい妖気も孕まれていた。女が、人間なのか、化け物なのかはわからない。人間であり、化け物でもある、という気もする。 淀みのない足取りで近づいてきた女は、台座から十歩ほど手前のところで歩みを止めた。その両脇には、あの黒装束の化け物を一体ずつ従えている。この女が、彼らを操っていた主(あるじ)なのだろうか。 女はその場に立ち止まったまま、台座を囲む女神たちの像を一瞥した。 ふと、色白の顔に微笑が形作られる。 その笑みから冷たい印象を受けるのは、女が氷のように輝く銀色の髪や白い肌をしているせいだけではないだろう。不意に背筋を這い上がってきた怖気が、ルシェルの肩を震わせていた。女の出現と同じくして、周囲の気温が急激に下がったように感じる。この冷たい空気は、目の前の女が運んできたものだと思えてならなかった。それは直感的に紡ぎ出された想像に過ぎないのだが、彼女にとっては限りなく真実に近い想像だ。 「ここが《剣の間》ということでいいのかしら? あなたたちが頑張って封印を解いてくれたおかげで、これからの仕事が捗るわ」 切れ長の瞳がルシェルたちを交互に見遣る。口元の微笑は、既に解かれていた。 「あなたは何者なの?」 ルシェルは、神剣の柄に手をかけながら女へ質(ただ)した。敢えて訊かずとも、女が敵であることはわかっている。それでも、一戦を交える前に相手の情報を少しでも得ておきたいと欲する理知的な思考が、彼女に口を開かせていた。 「私が何者かって? ご覧の通り、魔女よ」 寄越された答えを聞いたところで、驚きはない。 確かに、目の前にいる女は、古い言い伝えやおとぎ話に出てくるような、魔女そのものといった風貌をしている。それが本当なら、幾度も爆発を起こして城を火に包んだのは、この女の仕業なのだろうか。 「魔女が、何のためにここへ来たというのかしら」 「何のために? それはね――」 女は、再び冷たい微笑を浮かべてから言葉を継いだ。 「《受胎》の告知」 その言葉は、淫らに濡れた響きを伴って、女の唇から発せられた。 「《受胎》……?」 「そう。あなたたちに、受胎の告知をするためにやってきたのよ。箱入りの生娘であろうと、意味くらいはわかるでしょう」 無論、言葉としての意味はわかるが、女が何を示すためにその言葉を用いているのかがわからない。 「ここで、何をするつもり?」 ルシェルは神剣の鍔をわずかに浮かせて、いつでも斬りかかれる体勢を取った。女の真意はわからないが、この剣の間で妙な真似をさせるわけにはいかない。それはヴェスティールの三女神を冒涜する行為のみならず、この剣の間を護り続けた代々の斎女たち――、母や祖母たちへの冒涜だ。女の目的がなんであろうと、不遜な行いは、決して許すわけにはいかない。 「ここには、必要なものがすべて揃っているのよ」 色白の顔に妖艶な微笑を張り付かせたまま、女が言葉を続ける。 「三女神の宮。魂の座。天地を繋ぐ回廊。それと――」 三女神の神像、白鑞の台座、それから天窓へと向けられた女の視線が、最後はルシェルの胸元に下げられた宝珠へと固定される。 「《始原の卵》」 女が囁くように告げたとき、身体が震えた。思わず、胸元の宝珠を握り締める。 「《始原の卵》……?」 「説明する気はないわ。私にはそれが必要なの。大人しく渡してくれれば、痛い目を見なくて済むわよ」 「断るわ」 即答していた。宝珠の正体がわからなくても、この宝珠にとても重要な意味が隠されていることはわかる。そんなものを、城を襲い、大勢の人の命を奪った張本人である魔女にくれてやる気などなかった。 「あら、どうして?」 女の紅い瞳に、燠火(おきび)のような殺意が揺らめく。 「この宝珠が始原の卵だというのは、どういう意味なの」 「教えれば、渡してくれるのかしら?」 「…………」 肯定と同じ意味を持つと承知で、無言を貫いた。 「では、仕方ないわね」 女が指を鳴らすと、両脇に控えていた二体の黒装束が前に進み出てきた。 「力ずくで頂くことにするわ。その分苦しむことになるけど、わからず屋の自分たちを怨んでちょうだい」 女の挑発に、それまで背中に隠れていたセフィナが叫び返した。 「脅したって無駄よ! そこの黒ずくめのお化けだってさっきは沢山いたのに、ルシェルはあっという間にやっつけちゃったんだから!」 「知っているわよ、お姫様」 穏やかだが、殺気の篭(こも)った声と瞳を向けられたセフィナは、再びルシェルの背後に隠れて身を縮めた。 「その子が御自慢の、剣の斎女――フフッ、なんでしょう?」 その冷笑が示すものは余裕か、軽侮か。いずれにしても、笑われたところでルシェルには動揺も苛立ちもない。得体の知れぬ敵と向き合っている以上、心の平衡を失って冷静でいられなくなるのは命取りだと思えた。 「よく訓練されているようだけど、その剣にはあなたが想像している以上の力が秘められているのよ。うまく使いこなせるかしら?」 女の言葉は、ルシェルが心の内に抱いている不安を正確に言い当てたものだったが、なにも答えなかった。不動の構えを保ったまま、冷笑が刻まれた白面を睨み据える。 「それにしても似ているわね……。あの憎たらしい聖女気取りにそっくり。その顔を見てるだけで、お腹の古傷が疼(うず)くわ……」 そこで一度言葉を切った女は、左手で下腹部の辺りをさするような仕種を見せた。 「あなたがどうやってこの子たちを蹴散らしたのかはわかっているの。でも、この目で直(じか)にあなたの戦いぶりを見てみたいのよ。そこのお姫様が言ったとおり、黒ずくめのお化けをあっという間にやっつけるところを、見せてもらえるかしら?」 その言葉が終わると同時に、二体の黒装束がじわりと間合いを詰めてきた。たった、二体だ。小手調べにもならないふざけた座興だと感じたが、油断するわけにはいかない。 ルシェルは神剣を抜いた。 白金の刃が煌々と光を放つ。 その光を見ただけで、黒装束たちが後退し始めた。さらに、後退。さらに―― 「――ふうん」 女の位置まで下がったところで、黒装束たちの後退は止まった。 「そういうこと……」 女が、左手を振った。その正面にいた黒装束の頭から足下へ、五条の白線が駆け抜ける。六片に解体された黒装束が、石床に転がった。引き裂かれた骸(むくろ)は切断面から凍結し始め、黒液に変わることなく氷塊と化していく。 残る一体は、女に右手一つで喉元を掴まれ、身体を宙に浮かされていた。その首を貫くように、冷たい輝きを放つ鋭利な刃物が突き出ている。……いや、刃物ではない。爪だ。女の指先から、白々と輝く氷の爪が伸びているのだ。その爪に穿たれた孔から、黒装束を蝕むように氷結が拡がってゆく様子が見えた。 だが、氷が全身を覆うのも待たずに爪が振り下ろされる。 「血を吝(けち)った咒隷など、こんなものか」 苦々しげに呟いた女が、足下に転がる化け物たちの骸へ唾を吐き捨てる。 「座興にもならなくて申し訳なかったわね。まぁ、いいわ」 完全に氷塊と化した黒装束を踏みしだくように、女が足を進めた。 「せっかく三百年ぶりに怨敵と出遇えたっていうのに――」 その両腕に、淡い光を羅のように織り込んだ紋様が纏わり付いてゆく。 「これくらいでなくちゃ、殺(ヤ)り甲斐がないもの」 殺意に燃える真紅の瞳と氷の微笑が、ルシェルの背筋を凍りつかせた。 女が両腕に纏った絹織りのような霊気の被膜から、禍々しい力のうねりを感じる。 自らを魔女と名乗った女が、どのようにして魔法を操るのかは想像もつかなかったが、自分は、剣の力を信じて、戦うしかない。 「ふふ――、そんなに頑張って怖い顔しなくてもいいのよ」 いつの間にか表情が強張っていたルシェルを嘲笑うように、女が近づいてくる。 神剣の柄を握る両手に、一層の力が入っていた。 女が魔法を使う前に切りかかるべきか、それとも剣の間合いまで近づいてくるのを待つべきか―― ルシェルたちの足下を烈しい震動が襲ったのは、その時のことだ。 「なに……?」 女が驚声を漏らす。 魔法が使われたのかと思ったが、女の反応を見る限り、そうではないようだ。 ルシェルの足下。幾筋もの光が奔り抜けていった。 その出所を目で追う。白鑞の台座が眩い輝きに包まれているのが見えた。そこから床を這うように伸びる光が、床の上になにかの図形らしきものを描き出してゆく。 その形は、まさにおとぎ話で語られるような魔法円を連想させるものだ。 「咒紋(じゅもん)が設置されていたか!」 女が魔法円の展開を阻害せんと腕を伸ばしたが、急速に形成されてゆく光の壁に阻まれた。 「聖域化……!?」 弾かれるように、女の身体が後方へ押し戻される。彼女が触れた箇所には一層強い光が集束し、なんらかの生物的な像を結びつつあった。現れたのは、四枚の翅(はね)を広げた一羽の毒蛾。光の壁面に映し出された図像はしばらく中空で静止していたが、やがて魔法円の周縁を乱舞し始めた。 「あらかじめ私へ反応するように仕掛けていたのか……? ルシエラめ!」 歯噛みするように呻いた女が、左の胸を押さえていた。そこに、乱舞する図像と全く同じ毒蛾の烙印があったのだが、ルシェルたちには見えていない。 なにが起こっているのか――あるいは起ころうとしているのか――全く把握できない状況だった。女が口走った通り、聖女ルシエラが、剣の間に魔法的な仕掛けを施していたということなのだろうか。ルシェルは皇女を背中に庇い、セフィナは侍女の背中にしがみついたまま、目の前で繰り広げられている不思議な光景を見守り続けるだけだった。 ふと――、上方から強い光が射し込んだ。 二人の頭上には、白銀に輝く月の姿があった。その輝きが強まっていることに気付いたルシェルが天窓を振り仰いだ直後。台座に清らかな月光が降り注ぎ、二人を覆い包んだ。 「娘ごと《卵》を天界まで上げるつもりか!?」 女が叫んだ。その顔には、焦燥と憤怒の色が浮かんでいる。 「憎たらしい女! どこまでも私の邪魔をする!」 女が両腕に纏わせている霊気の被膜に次々と、文字か、記号のような印が刻まれ始めた。 「お前がその気なら、三百年の時を超えた力比べといこうか――、ルシエラ!」 女の両手に、紫電を迸らせた光球が生成されようとしていた。 ――あれが、魔法……? もはや確かめるまでもない。 あれが、魔法だ。 ルシェルは神剣を構えて飛び出した――つもりだったのだが、自分の身体がその場から一歩も動いていないことに気付いた。手足に力が通わない。それどころか、身体が無数の光の粒へと変えられていくのがわかり、激しく動揺した。 セフィナの様子を確かめたい衝動に駆られたが、それすらもままならない。 「私の予定を邪魔してくれた礼に、お前の予定は私が撃ち砕いてやる!」 女が、魔法を撃ったようだ。 光。烈しい、光。 世界が揺らいだ。歪(ひず)んだ。撓(たわ)んでいた。 なにが起きているのかは、よくわからない。 ルシェルの意識は、光とともに天上へ向っていた。 「ただで行かせはしない!」 咬みつくように天を睨んだ女が叫ぶ。 「――這い降りよ!」 その瞬間、月に穴が空いた。 いや、月に穴が空けられたのではなく、上空に黒斑が現れたのだ。現れた黒斑は渦を巻きながら徐々に拡がり始め、周囲の空が石を投じられた湖面のように波立っている。 それは見る間に天穹を覆い尽くす巨大な影となり、頭上が暗くなった。 ――あれは……? 闇よりも暗い影が、天と斎女の塔を繋ぐ光の路(みち)へ絡みつくように這い降り、飛翔を続けるルシェルたちを呑みこもうとしていた。 彼女の、目の前で。 奈落が、口を開ける。 全身を包みこむ、凄絶な鬼気。魂が、震える。 呑まれようとしているのは、自分だけではない。空が、星が、光が―― この世界が、呑まれているのだ。 身体は天を目指して昇っているはずなのに、魂は底知れぬ冥暗の彼方に堕ちてゆく。 もはや、光の路はない。巨大な影に呑まれ、噛み砕かれ、四方に散っていた。細氷のごとく儚い煌きの欠片(かけら)が暗黒の果てへと拡がり、無残に消えてゆく。 ……嫌だ。 消えるのは、嫌だ。 堕ちたく、ない―― ルシェルの心が悲痛な叫びを上げた時、影が晴れた。聖女の力によって保護されていた彼女の身体は、影を突き破って上空へと脱していたのだ。周囲に星夜の拡がる景色が回復し、ルシェルは幾分の落ち着きを取り戻すことができた。 しかし、いかに聖女の力といえど、遥か下方の地上までは及ばない。 天から這い降りてきた影は最初に斎女の塔を取り巻いたが、勢いは尚も留まらず、徐々に嵩を増しながら隣接するヴェルハイム城へとその魔手を伸ばしていった。 ――お城が、《界瘴》に呑まれてゆく……。 《界瘴》とは、空の上に滞留している黒雲のような流動体の名称である。 冥界を流れる川の一部が地上に現れたものだと言われているが、あらゆる生物に死をもたらす自然災害として人びとに恐れられている。界瘴が一たび地上に降下してくると、命あるものを無差別に取り込み、侵蝕したその一帯を死の荒野へと変えてしまう。そのため、竜巻や雷以上に人びとに怖れられ、忌み嫌われているのだ。 あまり活発に地上へ降りてくることはないものの、界瘴が現れたときは城の中ですらも安全とはいえず、地下に設けられた退避壕に閉じこもって、この災厄が行き過ぎるのを震えながら待つしかない。 その界瘴が、こんなときに現れるなんて……。 「アハハッ! 路は閉ざされた! そのまま当てもなく虚空(そら)を彷徨いな!」 地上のいずこからか、勝ち誇るような女の嗤笑(ししょう)が響いてきた。 あの銀髪の魔女が、界瘴を帝都の上空に呼び寄せたのだろうか? 闇に蠢く巨大な影が、大地を貪り尽くす。 その光景が足下に遠ざかっていくのを、ルシェルは絶望しながら見送るしかなかった。 ――セフィナ様は……? 皇女の姿を探したが、主君が自分の傍にいないことだけは、なぜかはっきりとわかっていた。 ――なにも、できないなんて……。 己の非力さに打ちひしがれるルシェルの目前には、夜空を流れる光の河が迫っていた。穏やかで、優しげな光の清流。剣の間の封印を解いた時に、この河を目にしていたことを思い出す。ルシェルの身体は、吸い寄せられるように、その中へ飛び込んでいた。 温かな無数の光が、彼女を迎え入れる。なぜか、とても懐かしい処へ還ってきたような感慨に満たされ、心が安らいでいく。 その安らかな感覚に包まれながら、ルシェルは自分が光の中に溶けてゆくのを認識していた。 † 「あーっ!?」 揃って声を上げたのは、二人の少女だった。 二人は、地上から昇った二つの流れ星のような光跡が、それぞれ逆の方向へ伸びてゆくのを目撃していたのだ。 「たいへんたいへん! 二人ともどこかに飛んでいっちゃうよぉ! 降りるところ間違えて間に合わなかったなんて報告したら絶対怒られちゃうし、どうしよう……っ!?」 「落ち着いて! すぐ追いかければまだ間に合うでしょ!」 「で、でもでも! どっちが剣のお姉ちゃんなのか、わかんないよう!」 「とにかく! ひとまず二手に分かれて後を追いましょう! 私はあっちに行くから――」 「あたしは、あっち?」 「うん、そう!」 慌しく相談を終えるなり、二人の少女は光跡を追うために東と西へ分かれて飛び立った。 その背中に、透き通るような一対の白い翼を羽搏(はばた)かせながら―― † 「神遣(みつか)いどもめ、もう手を回していたのか」 東と西へ飛び立った二つの光跡と、それを追いかける二つの気配を認めながら、女は忌々しげに舌打ちした。 「まぁ、天界行きが阻止できただけでも、よしとしておくわ」 斎女の塔の頂上部に立った女は、いまだ火と煙の燻(くすぶ)るヴェルハイム城を見下ろしていた。 ……いや、そこにあるのは、もはや城ではない。 「こっちも、着床には成功したようだし」 眼下に蠢く界瘴の沼を見遣り、女は満足げな笑みを漏らした。 「屈辱と積怨に身を震わせる忍従の日々だったけれど、ようやくこの時を迎えることができたわね……」 万感を込めた呟きとともに、天を仰ぐ。 そこに、月はない。 あるのは、天を塞ぐように拡がる、闇色の空。 星々の輝きも届かぬ、暗黒の世界。 光の道は完全に消失していたが、界瘴はそこに絡みついた恰好のまま天と地を繋いでいる。その様子は、大地に根を下ろさんとしている闇の大樹に見えた。当初よりは沈静化したものの、界瘴の降下は尚も続いている。その被害は既に城下にも及んでいた。城から溢れ出した界瘴が大波となって家屋を押し流し、逃げ惑う人びとを阿鼻叫喚もろともに呑み込んでいく。このまま暗黒の沼地が拡がり続けていくのなら、帝都のすべてを呑み込むのも時間の問題だ。 それは人びとにとって、大いなる不幸の訪れであった。しかし、その不幸を引き起こした張本人たる女が心を痛めることはない。 界瘴の氾濫は、まさにこの世の終わりを髣髴(ほうふつ)とさせる災いだったが、彼女にとっては違った。 これが、始まりである。 「……《受胎》の告知と、《黄泉反(よみがえ)し》の司祭を同時にやるなんて、ずいぶん忙しい夜になりそうじゃない」 そこにあるはずの星月を見透かすように闇空を眺めた女は、 「《祭り》はそろそろ始まった頃かしら?」 再び、笑みを漏らした。見る者があれば、魂を凍えさせながらも虜にされたであろう、魔性に満ちた氷の笑みを―― |